監修:行政書士 渡邉徳人(行政書士事務所WITHNESS 代表・熊本県行政書士会 第05430405号)最終更新日:
国・県・市町村の公共工事の入札に参加するには、建設業許可と経営事項審査に加えて、発注者ごとに入札参加資格の審査(指名願い)を受けます。熊本県では、この審査で経審の総合評定値(P点)に県独自の点数を加えて、業者を等級に分けます(格付)。このページでは、熊本県の入札参加資格と格付のしくみをまとめます。
※熊本県の公表資料(令和9・10年度の申請要領、令和8年度の格付基準)にもとづいています。
入札までの流れ
- 1
建設業許可
入札に参加したい業種の許可を取ります。手続きは熊本の建設業許可申請でくわしく解説しています。
- 2
決算変更届・経営状況分析・経審
毎年の決算のあとに、決算変更届(事業年度終了届)を出し、経営状況分析と経審を受けます。入札に参加したい業種は、経審でも受審し、総合評定値を請求しておきます(経審の流れ)。
- 3
入札参加資格の申請(指名願い)
発注者ごとに決められた受付期間に申請します。熊本県は2年に1度の定期受付です(申請の全手順)。
- 4
資格の認定・格付・名簿の公表
審査の結果、業種ごとに資格が認定され、格付の対象業種は等級が決まります。有資格者名簿として公表されます。
- 5
入札・契約
等級に応じた規模の工事の入札に参加し、落札すれば契約します。
熊本県の入札参加資格の申請
熊本県は2年に1度の定期受付で、令和9・10年度(2027・2028年度)分は2026年6月1日〜12月18日です(電子申請または郵送)。資格の有効期間は2027年4月1日〜2029年3月31日です。定期受付の間の年度にも、新しく資格を取る会社や、業種を追加する会社のための受付があります。
申請要領の読み方、申請できる条件(経審・社会保険・税金)、必要書類、申請書の書き方、受け付けてもらえない場合は、熊本で指名願いを出す全手順に、手順の順にまとめています。
格付のしくみ
熊本県内に主たる営業所がある業者が、次の5業種で入札参加資格を申請すると、等級に格付されます。等級によって、入札に参加できる工事の金額が決まります。
| 工事の種類 | 等級と工事の金額 |
|---|---|
| 土木一式工事 | A1:7,000万円以上 A2:1,500万円以上7,000万円未満 B:500万円以上1,500万円未満 C:500万円未満 |
| 建築一式工事 | A1:1億3,200万円以上 A2:5,500万円以上1億3,200万円未満 B:2,750万円以上5,500万円未満 C:1,100万円以上2,750万円未満 D:1,100万円未満 |
| 舗装・電気・管工事 | A:1,100万円以上 B:330万円以上1,100万円未満 C:330万円未満 |
この5業種以外の業種や、県外に主たる営業所がある業者は、等級には分けず、経審の総合評定値で順位が付けられます。
総合点数と等級の基準
総合点数 = 経審の総合評定値(P点)+ 技術事項等評価点数
技術事項等評価点数は、熊本県が独自に評価する点数(主観点)です。
令和8年度の格付基準では、総合点数が次の点数以上の場合に、それぞれの等級になります。基準は格付のたびに県が定めます。
| 業種 | 等級ごとの総合点数 |
|---|---|
| 土木一式工事 | A1:1,432点以上 A2:1,049点以上 B:715点以上 C:715点未満 |
| 建築一式工事 | A1:1,218点以上 A2:1,002点以上 B:829点以上 C:712点以上 D:712点未満 |
| 舗装工事 | A:1,260点以上 B:944点以上 C:944点未満 |
| 電気工事 | A:1,039点以上 B:836点以上 C:836点未満 |
| 管工事 | A:984点以上 B:816点以上 C:816点未満 |
技術事項等評価で評価される項目
令和8年度の格付基準で評価された主な項目です。対象の期間や基準日は、格付ごとに県の申請要領で決まります。
| 区分 | 項目と点数 |
|---|---|
| 工事の成績 | 熊本県発注工事の平均工事成績(65点との差に倍率をかけた点数。下回れば減点)、優良工事(成績85点以上で20点、80点以上で10点)、粗雑工事(成績65点未満で1件につき△20点) |
| 信用の度合 | 指名停止(1か月につき△20点) |
| 工事の実績 | 公共工事の元請完成工事高(2年平均に応じて0〜80点)、専門工事の完成工事高と比率(舗装・電気・管のみ)、高度な技術を要する工事の実績(土木一式のみ、トンネル・PC橋上部など区分ごとに10点) |
| 人材・雇用 | 新規学卒者の雇用(1人4点、16点まで)、若年者の定着(1人3点、12点まで)、障がい者の雇用(5点)、育児休業・介護休業の制度(5点)、総職員数(60点まで) |
| 研修・講習 | 熊本県建設技術センターの研修会(1人1点、10点まで)、建設業労働災害防止協会などの技能講習・安全衛生教育(1人1点、10点まで)、不当要求防止責任者講習(3点) |
| 地域・社会への貢献 | 熊本県との防災協定(20点)または県内市町村との防災協定(5点)、消防団への入団(2〜4点)・消防団協力事業所(1点)、保護観察者の協力雇用主(5点) |
| 技術・経営の取り組み | 契約後VE提案の採択(1件20点)、大臣・知事の表彰(1件10点)、新技術(特許10点・NETIS5点・熊本県の新技術3点)、新分野への進出(10点)、事業活動温暖化対策計画・エコ通勤環境配慮計画(各2点) |
| 県の認定・登録 | ブライト企業の認定(20点)、熊本県SDGs登録制度の登録(5点) |
| 舗装工事のみ | 舗装施工管理技術者(1級5点・2級2点)、舗装用機械の保有と施工体制(アスファルトフィニッシャー20点など) |
工事成績・指名停止・研修会の受講・総職員数など、県が持っている記録や経審の結果で評価される項目は、申請は不要です。そのほかの項目は、入札参加資格の申請とは別に、県が定める期間に「技術事項等評価項目申請」を行います(必要な書類は経審の必要書類一覧)。
入札の方式
- 一般競争入札公告された条件(等級・地域・業種など)を満たす業者が、だれでも参加を申し込める方式です。
- 指名競争入札発注者が、資格のある業者の中から指名した業者で競争する方式です。
- 総合評価落札方式価格だけでなく、施工計画・会社の施工能力・配置予定の技術者の能力など、価格以外の要素も合わせて評価し、落札者を決める方式です。
市町村・国の入札参加資格
入札参加資格は発注者ごとに別の制度で、熊本県の資格があっても、市町村や国の工事には、それぞれに申請が必要です。受付時期・必要書類・独自の工事の分類や評価も発注者ごとに違います。熊本県内の市町村と国の受付時期は、熊本県内・国の入札参加資格(指名願い)申請期限一覧にまとめています。
経審から入札参加資格まで、まとめてお任せください
行政書士事務所WITHNESSでは、決算変更届(事業年度終了届)・経営状況分析・経審から、熊本県・県内市町村の入札参加資格の申請、格付の技術事項等評価項目の申請まで、まとめてお引き受けしています。
出典:熊本県「令和9・10年度熊本県工事入札参加者資格審査申請要領(県内建設業者)」「熊本県工事入札参加者資格審査格付要綱」「令和8年度熊本県工事入札参加者資格審査における格付基準」「令和8年度熊本県工事入札参加者資格審査申請要領」。2026年10月時点の内容です。


