監修:行政書士 渡邉徳人(行政書士事務所WITHNESS 代表・熊本県行政書士会 第05430405号)最終更新日:
経営事項審査の経営規模(X)は、会社の規模を評価する評点で、完成工事高(X1)と自己資本額・利益額(X2)の2つからなります。総合評定値(P点)に占める割合は、X1が25%、X2が15%です。
※P点の全体像は経審の点数(P点)のしくみをご覧ください。
X1 工事種類別年間平均完成工事高
受審する業種ごとの、年間の平均の完成工事高です。元請・下請、公共・民間を問わず、その業種の完成工事高で評価されます。完成工事高が大きいほど評点が高くなり、最高2,309点・最低397点の範囲で決まります。
2年平均か3年平均かを選べる
- 2年平均審査対象の事業年度と、その前の年度の平均です。
- 3年平均さらに前々年度を含めた3年の平均です。
どちらか数字の大きい方を選べます。ただし、次の点に注意します。
- 業種ごとには選べない2年平均か3年平均かは、受審するすべての業種で一律に選びます。ある業種では2年平均の方が大きく、別の業種では3年平均の方が大きい、ということも起こります。
- Zの元請完成工事高も連動選んだ期間は、技術力(Z)の元請完成工事高の計算にもそのまま使われます。
- 格付けへの影響も考えて入札参加資格の格付けでどの業種が大切かも考えて選びます。
受注が大きく減った年などに、評価が急に下がりすぎないようにするしくみ(激変緩和措置)の一つです。
そのほかの決まり
- 業種間の振り替え一式工事と専門工事など、決められた業種の間では、工事の内容に応じて、完成工事高をほかの業種に含めて審査を受けられることがあります。
- 契約後VE技術提案が採用されて契約金額が減った工事は、減る前の契約金額で審査を受けられます。
- 虚偽の申請を防ぐ書類完成工事高の水増しを防ぐため、消費税の確定申告書の控えや消費税の納税証明書の提出が求められます。
X2 自己資本額・利益額
X2は、自己資本額(X21)と平均利益額(X22)の2つから計算します。
X2 =(X21 + X22)÷ 2
| 評点 | 使う数字 | 選べる期間 |
|---|---|---|
| X21 自己資本額 | 貸借対照表の「純資産合計」 | 基準決算のみか、前期との2年平均 |
| X22 平均利益額 | 営業利益+減価償却実施額(利払前税引前償却前利益) | 審査対象年度と前年度の2年平均 |
自己資本額(X21)の注意点
自己資本額は、純資産合計の金額です。基準決算だけか、前期との2年平均かを選べます(激変緩和措置)。法人は財務諸表に株主資本等変動計算書を付けるので、純資産合計と株主資本等変動計算書の各科目の金額が一致しているかを確かめましょう。一致していないと、経営状況分析(Y)にも影響します。
平均利益額(X22)とは
X22 =(営業利益 + 減価償却実施額 + 前年の営業利益 + 前年の減価償却実施額)÷ 2
EBITDA(利払前税引前償却前利益)という、会社が生み出すお金の量を簡単に表す指標をもとにしたものです。金融機関が、融資先の返済能力を見るときにも使われています。
資本性借入金の扱い(2025年7月から)
金融機関などからの借入金のうち、償還期間5年超・期限一括償還・業績に連動する金利・劣後性といった要件を満たす「資本性借入金」は、公認会計士・税理士・1級建設業経理士の証明を受けることで、自己資本(X21)に加えて審査を受けられるようになりました。2025年(令和7年)7月1日以降の経営状況分析の申請から対象です(審査基準日が2025年3月31日以降、単独決算の場合)。経営状況分析(Y)の自己資本比率などにも反映されます。
経審の申請は、まとめてお任せください
行政書士事務所WITHNESSでは、決算変更届(事業年度終了届)から経営状況分析、経審の電子申請、補正への対応まで、まとめてお引き受けしています。
出典:国土交通省「経営事項審査の事務取扱いについて」「経営事項審査の主な改正事項(令和8年7月1日施行)」「資本性借入金に係る経営事項審査の事務取扱いについて」。2026年10月時点の内容です。


