監修:行政書士 渡邉徳人(行政書士事務所WITHNESS 代表・熊本県行政書士会 第05430405号)最終更新日:
経営事項審査の技術力(Z)は、許可業種ごとの技術職員の数と資格と、元請完成工事高で評価されます。配分は技術職員(Z1)が5分の4、元請完成工事高(Z2)が5分の1です。このページでは、技術職員として数えられる人と、その点数を説明します。
※P点の全体像は経審の点数(P点)のしくみをご覧ください。
Z点の計算
Z = Z1(技術職員数値の評点)× 4/5 + Z2(元請完成工事高の評点)× 1/5
技術職員数値は、業種ごとに、技術職員の区分ごとの点数(下の表)を人数分合計した数字です。この数字が大きいほど、Z1の評点が高くなります。
Z点は業種ごとに出ます。同じ会社でも、技術職員が多い業種と少ない業種では点数が変わります。
技術職員として認められる人
次の両方を満たす人が対象です。
- 資格・実務経験許可業種の主任技術者・監理技術者になれる資格や実務経験をもつ人。登録基幹技能者や、建設キャリアアップシステムの能力評価でレベル3・4の技能者も含みます。
- 6か月を超える恒常的な雇用審査基準日(決算日)以前に6か月を超える恒常的な雇用関係があり、雇用期間を限定せずに常時雇用されている人。法人の常勤役員や個人の事業主も含みます。
雇用期間が限定されていても、高年齢者雇用安定法の継続雇用制度の適用を受けている人(65歳以下)は対象になります。許可の営業所技術者(専任技術者)も、条件を満たせば技術職員として数えられます。
技術職員の区分と点数
| 区分 | 主な対象 | 点数 |
|---|---|---|
| 1級監理受講者 | 1級技術者で、監理技術者資格者証をもち、講習を受けた年の翌年から5年以内の人 | 6 |
| 1級技術者 | 1級施工管理技士・1級建築士・技術士など(上以外) | 5 |
| 監理技術者補佐 | 1級の第一次検定に合格した技士補で、主任技術者の資格をもつ人 | 4 |
| 基幹技能者・レベル4技能者 | 登録基幹技能者講習の修了者、能力評価で最上位(レベル4)の技能者 | 3 |
| 2級技術者・レベル3技能者 | 2級施工管理技士・2級建築士・1級技能士・第一種電気工事士など、能力評価レベル3の技能者 | 2 |
| その他の技術者 | 実務経験(10年など)や指定学科卒業+実務経験で主任技術者になれる人 | 1 |
1人が複数の区分に当てはまるときは、点数の高い区分で数えます。
計算の例
土木工事業で、次の4人を技術職員として申請する場合の例です。
| 技術職員 | 区分 | 点数 |
|---|---|---|
| Aさん | 1級土木施工管理技士(監理技術者講習を受講済み) | 6 |
| Bさん | 2級土木施工管理技士 | 2 |
| Cさん | 2級土木施工管理技士 | 2 |
| Dさん | 実務経験10年 | 1 |
| 土木工事業の技術職員数値 | 11 | |
資格の取得や講習で、点数が変わる
技術職員の点数は資格で決まるので、社員が資格を取ったり講習を受けたりすると、次の経審からZ点に反映されます。一般に、次のような変化があります。
- 実務経験から2級へ(1点→2点)実務経験で主任技術者になっている人が2級の施工管理技士などに合格すると、点数が倍になります。
- 1級の第一次検定に合格(→4点)主任技術者の資格をもつ人が1級の第一次検定に合格して技士補になると、監理技術者補佐として4点になります。
- 1級に合格(→5点)1級の第二次検定に合格すると、1級技術者として5点になります。
- 監理技術者講習(5点→6点)1級技術者が監理技術者資格者証の交付を受け、講習を受けると6点になります。期限は講習を受けた年の翌年から5年です。
- 技能者のレベル(→2点・3点)現場の技能者も、登録基幹技能者講習の修了や、CCUSの能力評価でレベル3・4の判定を受けると、技術職員として数えられます(CCUSと経審の加点)。
どれも審査基準日(決算日)の時点で資格をもっていることが条件です。決算日より後に合格した資格は、次の年の経審から反映されます。技術者の継続学習や技能者のレベルアップは、社会性等(W)でも評価されます(社会性等(W)の評価項目と点数)。
注意したいポイント
- 1人2業種まで複数の業種に当てはまる資格をもっていても、技術職員として申請できるのは1人につき2業種までです。どの業種に割り振るかで、業種ごとのZ点や入札の格付けが変わります。
- 6か月を超える雇用審査基準日(決算日)の時点で、6か月を超えて雇用されている必要があります。決算の直前に採用した人は、その年の経審では数えられません。
- 監理技術者講習の期限1級監理受講者として6点になるのは、講習を受けた年の翌年から5年間です。期限が切れると1級技術者(5点)の扱いになります。監理技術者資格者証の会社名が、前の勤務先のままになっていないかも確かめましょう。
- 常勤であることの確認熊本県の経審では、住民税の特別徴収税額の通知書(特別徴収をしている会社は必ず必要)か、健康保険・厚生年金保険の標準報酬決定通知書で、その会社に常勤していることを確かめます(経営事項審査の必要書類一覧)。
元請完成工事高(Z2)
許可業種ごとに、発注者から直接請け負った工事(元請工事)の完成工事高で評価されます。下請の工事は含みません。直前2年または3年の平均で、どちらを使うかは完成工事高(X1)の選択と連動します(経営規模Xとは)。
名前だけの雇用や、実態のない資格の申請はできません
技術職員は、実際にその会社で常時働いている人だけが対象です。名義だけ借りた人を技術職員として申請することは虚偽申請にあたり、処分の対象になります。当事務所は経審の申請を代行する事務所で、技術者の採用や資格取得の計画についての助言は行っていません。
経審の申請は、まとめてお任せください
行政書士事務所WITHNESSでは、決算変更届(事業年度終了届)から経営状況分析、経審の電子申請、補正への対応まで、まとめてお引き受けしています。技術職員名簿の作成や、資格の区分の確認もあわせて行います。
出典:国土交通省「経営事項審査の事務取扱いについて」(令和8年7月1日施行版)、「経営事項審査の項目及び基準を定める件」。2026年10月時点の内容です。


