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経審の評点アップチェック(詳細版)

経営事項審査(経審)の点数(P点)は、公共工事の入札で「会社の通信簿」として使われます。熊本県の入札では、この点数で受注できる工事の大きさ(等級)が決まります。このページでは、P点を上げるためにできることを、効果の大きい順にわかりやすくまとめました。

かんたんに確かめたい方は、トップページの「6つの質問で、評点アップの余地をチェック」(約30秒)もどうぞ。

はじめに結論

  • すぐ上げられるのは「W(社会性)」。退職金・労災の上乗せ・防災協定など、制度に入るだけで点数が上がる項目があります。
  • 中期的には「Z(技術者)」。資格を持つ技術者を増やし、育てるほど上がります。
  • いちばん大きいのは「X・Y(売上・利益・財務)」。P点の6割は会社の業績と財務で決まります。最後は「売上を伸ばし、利益を残し、財務を強くする」ことに尽きます。

P点のしくみ

P点は、次の5つの点数を決まった割合で合計したものです。

項目 中身 P点に占める割合
X1 完成工事高(売上) 25%
X2 自己資本(純資産)と利益 15%
Y 経営状況(財務の健全さ) 20%
Z 技術職員と元請の完成工事高 25%
W 社会性(福利厚生・防災・法令遵守など) 15%

X1・X2・Y を合わせると60%。つまり、P点の大半は業績と財務で決まります。

X:売上と利益・自己資本

上げるには:売上を伸ばし、利益を出して、会社に利益を残す(純資産を厚くする)こと。工事の振り分け(どの業種の売上として申請するか)で点数が変わることもあります。くわしくは経営規模Xとは。

Y:財務の健全さ

決算書から8つの指標で計算します。特に影響が大きいのは次の4つです。

上げるには:利益を出す・借入金を減らす・不要な資産を持たない。決算の直前だけで大きく変えるのは難しく、日ごろの経営そのものが点数になります。くわしくは経営状況分析Yとは。

Z:技術者の力

業種ごとに、技術職員の数(資格による点数の合計)が5分の4、元請の完成工事高が5分の1で評価されます。

上げるには:資格を持つ人を採用する・社員に資格を取ってもらう。採用は決算日から逆算して早めに。くわしくは経審で認められる技術職員と点数。

W:社会性(技能者を大切にする取り組み)

会社の取り組み次第で上げられる項目です。W の合計が10点増えると、P点はおよそ13点上がります。

主な項目 W の点数 P点の目安
建設業退職金共済(建退共)の加入・履行 15点 約20点
退職一時金制度(中退共など)・企業年金 15点 約20点
法定外労災(労災の上乗せ保険) 15点 約20点
防災協定の締結(国・県・市町村など) 20点 約26点
CCUS(建設キャリアアップシステム)で就業履歴を蓄積 最大10点 最大約13点
CPD・技能レベルの向上 最大10点 最大約13点
ISO9001・ISO14001・エコアクション21 最大10点 最大約13点
建設技能者を大切にする企業の自主宣言【2026年7月新設】 5点 約7点
えるぼし・くるみん・ユースエールの認定 最大5点 最大約7点

くわしくは社会性等(W)の評価項目と点数をご覧ください。

熊本県の格付(等級)のしくみ

熊本県の工事の入札では、P点に、県独自の「技術事項等評価点数」を足した総合点で、業種ごとに等級が決まります。等級によって、受注できる工事の金額が変わります。

令和8年度の等級の基準(総合点)
等級 土木一式 建築一式 舗装 電気 管
A A1:1,432点以上
A2:1,049点以上
A1:1,218点以上
A2:1,002点以上
1,260点以上 1,039点以上 984点以上
B 715点以上 829点以上 944点以上 836点以上 816点以上
C 715点未満 712点以上 944点未満 836点未満 816点未満
D ― 712点未満 ― ― ―

※令和9・10年度の基準は、県から別に示されます(技術事項等評価項目の申請要領は令和8年12月頃に公表予定)。

技術事項等評価点数の主な項目

項目 点数(令和8年度の基準)
熊本県発注工事の工事成績(平均点が65点を超えた分×倍率) 加点・減点
優良工事(工事成績80点以上・85点以上) 10点・20点(1年1件)
公共工事(元請)の完成工事高 最大80点
総職員数 最大60点
県との防災協定(建設業協会などの団体を通じて) 20点(市町村のみなら5点)
ブライト企業の認定 20点
VE提案の採択 1件20点
新規学卒者の雇用 1人4点(16点まで)
若年者の定着(35歳未満を採用し3年以上雇用) 1人3点(12点まで)
大臣・知事の表彰 1件10点
県建設技術センターの研修・労働災害防止協会の講習 各1人1点(各10点まで)
消防団への入団・障がい者雇用・育児介護休業制度・SDGs登録など 2〜5点
指名停止・工事成績65点未満の工事 減点(1か月・1件につき20点)

工事成績を上げることと、防災協定のように経審(W)と格付の両方で加点される項目から取り組むのが効率的です。

やった方が良いこと(効果の大きい順)

  1. 建退共・退職金制度・労災の上乗せ保険に入るまだなら最優先。3つでP点およそ60点。次の決算日までに加入・履行を。
  2. 防災協定を結ぶ経審でP点約26点、県の格付でも20点。建設業協会などへの加入で対象になります。
  3. 資格を持つ技術者を増やす・育てるZ(P点の25%)が上がります。決算日の6か月前までの採用がポイント。
  4. CCUS・自主宣言・CPD に取り組むCCUSで最大約13点、自主宣言は手続きだけで約7点。
  5. 工事成績を上げる・優良工事をめざす県の格付で大きく効きます。粗雑工事・指名停止は大きな減点。
  6. 若手を採用し、定着させる新規学卒・若年者の定着で県の格付に加点。将来の技術者にもなります。
  7. 売上を伸ばし、利益を出し、財務を強くするP点の6割を占める本丸。時間はかかりますが、いちばん大きく、確実に点数が上がります。

結局のところ

W の加点はできるだけ早く取りきり、技術者を増やしつつ、売上を上げて利益を残し、財務を強くする。これが評点アップの王道です。経審・入札参加資格のことは、お気軽にご相談ください。

出典:国土交通省「経営事項審査の主な改正事項(令和8年7月1日施行)」「経営事項審査の事務取扱いについて」、熊本県「熊本県工事入札参加者資格審査格付要綱」「令和8年度熊本県工事入札参加者資格審査における格付基準」。P点の目安は概算です。2026年10月時点の内容です。

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